1998/03/01 ホームページはじめました
ふう……。
1998/03/02 シャズナ?
出勤すると店の中が妙に寒かったので、店に置きっぱなしになってる誰かのフードつきジャケットを羽織った。もちろんフードもちゃんとかぶる。基本だ。
そうしてエスキモー状態でぬくぬくしてると、隣にいた女の子が「上目遣いでこっち見て」と言う。
なんだかわからないまま言われた通りにすると、「やっぱり」──って何?「そのまま、両手をこう捧げる感じにしてみて」──……よーするに、「シャズナのイザムに似てるよね」ってことらしい。……初めて言われたぜそんなこと。
「イザム見た時、自分で似てるって思わなかった?」
思わねえっす。
「お客さんとかにも似てるって言われない?」
言われねえっす。
何故イザム?私のどこがどうイザム?
すると、それを聞いてた店の男性従業員まで「次の撮影、それでいきましょうか」とか言い出す。
「髪、赤ムラサキに染めて、名前もIZAMにして。プロフィールには全部【Melty Love】って書いて」
それは楽しそうだが、聖コスプレ学園でもやらないだろうそんなコスプレ。そんなの誰が指名するんだ。
でも、そういうイメクラとかあったら楽しいだろうけどな。女の子がみんなビジュアル系バンドのコスプレしてんの。X JAPANとか。何か勘違いしてる子がいて、デーモン小暮とか歌舞伎ロックスの氏神一番とかのコスプレしてたりして。でも意外とマニアに人気高かったりとかすんの。
そんな店絶対流行らねーだろうけど、SPA!とかFLASHあたりで話題になりそうだ。あったら絶対行くけどね。hideのコスプレしてる子指名して。
話を戻す。ともかく私はイザムに似てると言われても嬉しくないです。(自分ではカエルが一番似てると思う。毒持ってそうなヤツに)
奴は男だ。しかもごつい。世間では美形だなんだと騒がれてるようだが、あれだけ気合いの入った濃厚な化粧してライトで肌とばしまくって、顔のラインを髪でごまかして、思いっきりあご引いて上目づかいに微笑めば、誰だって綺麗に写るに決まってんだろう。
一度、生放送の番組に出演してるのを見たが、カメラを意識してない時のヤツは、ただの厚化粧したごつい兄ちゃんだったぞ。
個人的には、ペニシリンのHAKUEIの方がダントツで美形だと思うんだが。昔の、髪が長くてきっちり化粧してた時の顔なんて、もお神々しいまでに綺麗だった。絶世の美女と言って間違いないほどに。今のほとんど化粧してない顔でもあれだけ美形なんだからすげえよな。
ちなみにX JAPANではYOSHIKIよりhideの方が綺麗だと思う。絶対宝生 舞に似てるよな。
1998/03/04 だりい
──なんだかすげえ疲れてるぞ。
いやあ、今日は忙しかった──つっても、1月2月が異常に暇だったから、そう感じるだけなんだろうが。4本もついたのなんて、えらい久しぶりだもんな。
「4本も」とか言ってるけど、ヘルスやピンサロあたりの子が聞いたら「うっわ、少ねえ!」ってなもんなんだろうな。いやいや、1本あたりの単価がいいから、これだけつきゃ上出来なのよ。つーか、個人的には3本以上つきたくねえ。だりぃ。
しかも今日は、4本中3本が指名という快挙。最近指名少ねえな、と思ってたらまとめてきやがった。嬉しいがだるいぞ(指名客って、気を許せるから楽なんだけど、その分プレイの手が抜けないからしんどいんだよ)。おまけにみんなロングコースとりやがるし……いや、とってくださるし。嬉しいけど、暇に慣れきった身体にはキツイんだよ。手加減してくれ。もうちょっと。
待機室で溜まったメールの処理をしようと思って、わざわざ重いノートパソコン持ってったのに、結局触わることすらできなかった。……くそう。
1998/03/07 クラッシュ万事休す
↑思わず笑ってしまった自分が憎い。
あまりの暇さ加減に、待機室は満員状態。みんなで『クラッシュバンディクー2』をやりまくっていた。プレステ完備の素敵な職場。持ち込んだのは私だが。
このゲーム、みんなそれぞれ得意分野があり、「スライディングジャンプ担当」「大ジャンプ担当」「小ジャンプ担当」など、必要に応じて担当者にコントローラーをまわすので、とても効率良く進む。しかし、1つだけどうしてもクリアできないステージがあり、皆で首をひねっていた。
結局クリアできず、悶々としたまま2時間ほど爆睡。目が覚めるとすでに11時を回っていた。……なんなんだこの暇っぷり。仕事に来てるんだか遊びに来てるんだかわかんねえ。でも、2月中はずっとこんな調子だったんだよな。
──オチがないので、とりあえずSM嬢の日記らしく、なんかSMちっくなことでも書いとくか。
「六条鞭は猫じゃらしに最適」(猫おおよろこび)
1998/03/09 あんたが一番変ですよ
更新って普通、どのくらいのペースでするもんなの?
私自身、他の人のページを見る時、まったく更新されてないことが3回以上続くと「更新しろよ。死んでんじゃねーのか?」とか思ってしまうクチなので(短気+わがまま)、更新した翌日にはもう「ああ、なんか更新しなきゃ」とか思ってしまう。強迫観念?
……日記もなあ。面白い客とかプレイの話でもあれば、そのことを書けるんだけど、最近何もねえしな。つーか、完全に感覚が麻痺しているらしく、どっからどこまでが「変」なのかっていう、その境界線がよくわからなくなってきている。一般レベルで言う「スゲー変態」が、私にとっては「よくいるフツーのお客さん」でしかなかったり。慣れって怖いな。
そんな私が一番変な客だと思うのは「普通の人」だ。わざわざバカ高い料金払ってこんなとこまで来て、どーして普通にしてるんですかー?SMクラブって、どういうトコだかわかってますー?ってなもんだ。
そういや、最近どうもムカついて仕方ないのが、SMクラブなんぞに来ておいて「変わったお客さんって来る?」とか聞いてくる奴な。何をたわけたこと言ってんだっつの。ここをどこだと思ってんだ。変わった奴しかこねえんだよ、ここは。
興味本位でそんなことを聞く奴は、変態をバカにしているようで腹が立つし(自分だけマトモぶるんじゃねえ)、会話を弾ませるためのネタ振りだとしたら、それは大失敗だろう。そういう話題はヘルスやソープあたりのノーマルな業種の人に振りなさい。こっちは変態なんか飽きるほど見てるんだ。誰が変だったかなんて、思い出すだけでも一苦労だ。
機嫌のいい時は、腹ん中で「しょーがねえな、こいつ」と思いながらも、そういう奴の喜びそうな小ネタをいくつか話してやったりもするが(スカトロ系のネタはウケが良い模様)、だるい時には「ここは変な人しか来ませんからねえ」の一言で終わりだ。
中には、けっこうな変態プレイをするくせして、「最近、変な人いた?」などと言い出す奴もいる。こーれーはもうどうしようもない。
おまえも充分変だっつーの。
「おまえ以上に変な客は見たことねえよ」ってぐらいの変態さんに、真顔でそんなことを聞かれると返答に困る。一瞬、新手のギャグか?とか本気で思うもんな。
本物の馬鹿って、自分が馬鹿だってことに気づいていなかったりするでしょ?「私って変わってるからぁ」とか言ってる女って、たいした個性のないつまんない女だったりするでしょ?それと一緒な。やだやだ、自覚がないってのは。怖いよ。もっと身の程を知りましょうね☆
1998/03/11 エンディング
初心者によくある間違い。
「WINDOWS 98ってNECと何か関係あるのか?」
なんか、前回の日記みたいなことを書くと、やたらリアクションいいな。やはり人はエロを欲しているのか?(別にエロじゃねーか)
そういやHP開始からもう10日が過ぎてるんだな。早いもんだ。
しかし世の中には変わった方がたくさんいらっしゃる(別に前回の話の続きじゃないが)。こんなたわけたHPに、メールなんぞ送ってよこす奇特な方がいるんだから世の中まだまだ捨てたもんじゃない。
正直言って嬉しい……が、もっと正直なことを言うと、同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「こんなとこに来させちゃってごめんな」
「こんなもの読ませちゃってごめんな」
「メールなんて貰っちゃってごめんな」
「生まれてきてごめんな」
別に謙遜なんかしちゃいないが、何故こんなに心苦しいんだろう?人の心は不可解だ。この私が、『恐縮』という言葉の意味を身を持って知ることになろうとは。世紀末だね。素敵だね。
なんか今日は殊勝だな。クラッシュバンディクー2のエンディングのショボさがそんなにショックだったのか?(完全クリアであれじゃなー。ナメてんよな。クソ長いスタッフロールを2回も見せられるし)昔はスーパーマリオ(もちろんファミコン版)のエンディングのピーチ姫とのツーショットでさえ、脳味噌が痺れるくらいの感動と恍惚感を覚えたもんだけどな。
ゲームのエンディングにこだわるのは、最近のRPGのできすぎたエンディングを見過ぎてるせいか?エンディングってのは、そこに辿りつくまでに費やした時間や苦労といった「経緯」があるからこそ、感動(征服感・達成感・充実感)があるんじゃなかったのか?
昔、エンディングを見たくない(ゲームを終わらせたくない)あまり、あえてラスボスを倒さずに無駄にレベルアップを重ねたりした記憶があるが。あの頃は青かったな……。今じゃ、他人のセーブデータ使ってでもエンディング見てえ!とか思っちゃうんだもんな。
「エンディングを見たいからクリアする」ってのは、なんだか本末転倒というか主客転倒というか……なんだ?よくわからないが、ゲーム本来の楽しみ方とはちょっと違うんじゃないかな、などと思ってしまう今日このごろ。
ドラクエ1日で終わらせる奴とか、本気でムカついたもんな。
「もっとよく噛んでちゃんと味わって食べなさい!」
ってな感じで。
1998/03/12 本日の活動、3時間
今、私のパソコンの横にはきちぃちゃんがいる。
通販の広告に載っていた、なくなりがちな大事なメモを、見やすい位置にはさんでおけるというパソコン用のグッズだ。便利そうだったので思わず買ってしまったが、まさかこの私がきちぃちゃんグッズに手をだすことになろうとは。落ちたもんだぜ。
しかし、そこにパソ通やらインターネットやらのパスワードを書いたメモをはさんでおくというのは、やはり大間違いなのだろうか。形としては「御自由にお使いください」ってなもんだな。自宅だからいいけど。
それにしても今日はよく寝た。目が覚めたのが夜の11時。貴重な休みが、知らないうちに消えていた。午後3時にセットしておいたはずの目覚ましが、何者かの手によって止められていたのだ。いや、たぶんこの手によるものなんだと思うけど。
たまにやらかすんだよな、これ。前にも、ぐっすり眠っている時に突如ケータイが鳴り出し、「うるせえな、誰だよこんな時間によー」と時計を見たら、すでに出勤時間を過ぎていたということがあった。こんな時間に寝てる方が大間違いだ。
一瞬にして事態を悟り、慌ててケータイを掴むと、その電話は店からのモーニングコールだった。電話を取るなり、従業員の「どうしたんですか?」の声。
どうしたもこうしたもねえ。
思わず「……切っちゃおうかな?」という、ちょっぴり危険で後ろ向きな考えが浮かんだりもしたが、それでは何の解決にもならない。むしろ状況が悪化する。──仕方ない。寝起きの脳をフル回転させ、言い訳開始だ。
「あの……すいません。大変なことがおきまして……」
「どうしました?」
緊迫する従業員の声。
「──今、目が覚めたんです」
「……ははははは」
──よし。言い訳成功だ(そうか?)。人に迷惑をかけた時は、とりあえず相手を笑わせるに限る。相手が笑ってくれれば、許されたも同然だ(勝手な解釈)。
遅刻した時の言い訳には、他に「遅刻しました」がある。そのまんまじゃねえかと侮ってはいけない。こう言うと、相手はそれ以上何もつっこんでこなくなるのだ。相手に指摘される前に、正々堂々と自分の非を認めることが重要なポイント。
つっても、年に三回くらいしか遅刻しないしね、私は。普段の行いがいいと、たまにミスしてもあんまり怒られないんだよ。むしろ逆に心配されることもあるぐらいなので大変おトク。やっぱり外面は大事だな。
どうでもいいけど、目覚ましを手の届く範囲に置いたことが敗因だったな。あああ……やることいっぱいあったのに。悔しいからもう寝てやる(午前2時半)。
1998/03/13 わざとじゃないって
昨日、「こんなこと書いてて、明日遅刻したら笑うよなー」なんて思ってたんだけど。ええ、もう笑わせていただきます。
まんまとやっちまいましたよ。タイムリーすぎるっつーの。狙ってやったみたいだっつーの。昨日の日記は伏線だったのかっつーの。人生にオチつけんなっつーの。
でも、死ぬ気ですっとぱせば何とか間に合うかも?という微妙な時間だったため、仕方なく死ぬ気になってみることにした。
けどなあ、平日の真っ昼間に渋滞なんかしてんじゃねーよ ××道路。それは俺に対する挑戦か?思わず「やあ、これじゃ高速道路じゃなくて低速道路だね」なんつー、さびれたギャグが頭をよぎっちまったじゃねえか。
仕方ない。無駄なあがきはここまでだ。死ぬ気になるのはあっさりあきらめて(疲れるしな)、潔く店に電話して「遅刻します」宣言をする。
……だけど、こういう時に限って、すでに客の予約が入ってるんだよな。いつもは暇なくせにな。神様は意地悪だね。
具合が悪い時に限って忙しいとか、待機室で遊ぶ物を持ってった日に限って忙しいとか、金がない時に限って酒の誘いが入るとか、眠い時に限って麻雀の誘いが入るとか、暇な時に限って誰も遊んでくれないとか、世の中うまくいかないもんだよ。
そんでもって今日は、その初っ端についた客1人で打ち止め。やってらんないスよ、ほんと。
1998/03/14 ちちが張る
ここ数日、鬼のように眠い。寝ても寝なくても、脳が溶けそうに眠い。
店は中途半端な忙しさ。ぽつぽつ仕事が入るので、睡眠態勢に入るわけにもいかず、「眠い~眠いよ畜生~」とのたうちまわっていた。すると、それを聞いていた同僚の女の子が一言。
「それ、生理前なんじゃないの?」
あ。──そうか。そう言われてみればそんな気もしてくる。個人差はあれど、生理前というのはとにかく眠くなってくるのだ。確認のため、オノレのチチをおもむろに掴んでみた。
──いてえ!この痛み、これはまさしく生理前の感触!さらに襟元から中を覗きこんで、視覚でも確認。おお!いい張り具合だ。どこへ出しても恥ずかしくない仕上がりになっている。ぷりぷり真っ盛りだ。「……このまま時間を止めたい」そんなことがふと頭をよぎる。この胸のぷりぷり具合は、生理開始と共に消えてしまうのだ。期間限定のこの勇姿を、今のうちに目に焼きつけておこう。
1998/03/15 愛しのリブレット
買っちゃった買っちゃった。リブレット買っちゃったもんね~。これであの狭い待機室でも、誰にも迷惑かけずに作業できるんだもんね~。
つーわけで浮かれてます。念願のリブレットをようやくゲット。もう名前も決めました。
命名:リブ蔵
うーん、いいセンスだ。
待たせたね、リブレット。よろしくね、リブレット。私もこの日をずっと待っていたよ。もしかしたら前のノートパソコンのようにすぐ飽きて誰かに売っぱらってしまうかもしれんが、その日までおまえは私の配下だよ……。
そして私は、物欲が完全に満たされたその瞬間の充足感と恍惚感にうっとりしながら仕事に向かった──。
が──数時間後、FDDその他が届くまでの間、やりたいことは何ひとつできねえという事実に気づき、愕然とする。
「使えねえ」とはまさにこのこと。ショックのあまり、猥雑な文章を入力して『東芝音声システム・おしゃべりテキスト』に読み上げさせるという、無意味な行為に走る私。
「ソフトがなけりゃただの箱」
──そんな言葉が頭をよぎった。
1998/03/16 月に一度のお楽しみ
ういっす。生理休みっす。しばらくの間、ド暇っす。やることねえんで更新しまくります。
でも、ほんとはまだ生理来てないんだけどな。起きたら、ちちの張りが消えてたんで、「お、こりゃ今日中にくるな」と判断して、店に電話しちまいました。ここ2ヵ月くらい連続で、出勤してからおっぱじまるという最低パターンにハマっていたため、それを回避するための一種の賭けだったんだが。
──夕方頃から、ちちの張り復活。そして生理も訪れず。……もしかして、早まったかも。
私が生理休みだという噂を聞きつけて、店の女の子2人から電話があった。
1人は、私が使わなくなったノートパソコンを売った人。近いうちに色々な設定や基本操作を教えて欲しいとのこと。
しかし君達。私にいろいろ教わろうなど大間違いだ。私だってまだ初心者だ。設定とか基本操作ならともかく、「どこのパソコンはいいぜ」なんてこたあサッパリわからん。
私が教えられることといえば、「わからないことがあったらニフティに入会して可愛いハンドルネームで『19歳の短大生でーす。パソコン初めてなの。誰か教えてくださぁい』とでも書き込みしろ」ということぐらいか)。
1998/03/17 お願いはやくきて
ちーっす。やべえっす。まだ生理きやがらねえっす。
そもそも生理なんてもんは、「ばっち来ーいっ!!」って気合い入れて構えてる時に限って、なっかなか来ないもんなんだよな。まさに「忘れた頃にやってくる」もんだから、考えないようにしなきゃな、と思ってはいるんだが。
しょーがねえ、試しにつついてみるか……(やめておけ)。
1998/03/19 ひめ
いやあ、そんなわけっつーかどんなわけっつーか、来たよ来たよ。ようやくおでましだよ。明日までしか休めない状況だってたんで、ほんとギリギリだった。心配させやがってコイツぅ!
そんで今日は、数ヵ月ぶりに美容院に行ってきた。
「ぐりぐりパーマがだらしなく取れかかっている」という実に見苦しい状態だったので、きっぱりストレートに戻すことに。そしたら、もー、さらさらだよ、さらさら。パーマかかってる方が手入れは全然楽だけど、やっぱこの感触はたまらないっスよ。
しかし、「痛んでるとこ適当に切ってくれ」と言ってしまったばかりに、「今時これはないだろう」ってぐらいの見事な姫カットにされてしまった(姫カット:サイドの髪だけがぱつんと短くて顔にかかるようになる、数年前に爆発的に流行ったスタイル)。ほんと、今時これはねえだろう。「個性的」っていう便利な言葉もあるけどさ。
まあいいや。とりあえず、これで五歳は若返ったし(たぶん)。これなら普通のお嬢さんに見えるだろう。今までは、どっから見ても水商売のねえちゃんだったからな。
ひと月くらい前、酔っ払ったオヤジにナンパされて、「失せろ」と丁寧に断ったところ、「じゃあさ、お店教えてよお店。どこのお店勤めてるの?教えてくれたら指名しちゃうんだけどなあ」などと言われたこともあった。あれはショックだった。思いっきり見た目で判断されてるし。
そのオヤジ、あんまりしつこくて頭にきたんで、本当のことを教えてやったけどな。
オヤジ、もう引きまくり。「……それは……まだ経験ないな……」だと。
その時のオヤジの動揺っぷりがおもしろかったんで、今度からナンパ断る時はこの手でいこう、と心に決めたものの、それ以来ナンパまるでなし。そういうもんだよ。
1998/03/20 王女じゃない
ダチョウ倶楽部で笑える人がうらやましいな。
──いや、別に深い意味はない。言葉どおりに受けとってくれ。そういや昔、ジモンの携帯の留守電に「ダチョウ倶楽部つまんね~よ」などと激励の言葉を入れたことがあったっけな……。聞いてくれたかな、ちゃんと。
最近ギャグの切れ味が悪くて「ん~」とか思っていたら、優しい友人が『すごいよ!!マサルさん』をすすめてくれた。
「きっとおまえの感性にぴったりだ。騙されたと思って読んでみろ」とか言われて「俺は騙されない」とはっきり断ったんだが、なんだか気になるんで本屋に買いに出た。
「さあて、じゃあ笑わせてもらおうか」と、高圧的な姿勢で望んだにも関わらず、三回ほど声出して笑っちまいました。
私は「おもしろい」ものに直面しても、「ああ、これはこういう含みがあるから面白いんだな」だの「あ、そのギャグいただき」などと、いちいち余計なことを考えてしまうため、たとえ心から「面白い!」と思っても、心から笑えるということが滅多にない。
ツボにはまるより先に、理性がそれを冷静に分析してしまい、声を出して笑う、というレベルにはなかなか到達しないのだ。
反応するのは、まるで意図していないところから生まれるナチュラルなボケか、あまりにつまらなすぎて笑ってしことぐらい。
その私を三回も笑わすとはたいしたものだ。
私がどこかの国の王女で、親バカな国王が父だったとしたら、父に言って存分に褒美を取らせてやるところだが、残念ながら私にそんな権力はない。悪いな、何もしてやれなくて。
1998/03/21 Yahoo!でびゅー
検索エンジンの最大手、Yahooより、登録作業完了の通知が届いた。
いったいどこになんて登録されたんだか、さっそく見に行くことにする。
わくわく。
──検索結果。
ホーム:エンターテインメント:その他:アダルト:風俗
・Pink Trash!! – 現役SM嬢による日記等。
それだけかい!
エンターテインメントってところがイカすね。そそるね。
1998/03/23 ふたりぼっち
出勤してみると、なんだか暇そうな雰囲気。よしよし、日曜日の昼間でこのペースなら、ばっちり睡眠タイムが取れそうだと、内心ほくそ笑む私。
私の中には、すでに「稼ぎたい」という欲望はない。金は欲しいと思うが、無理してまでは欲しくない。しんどい思いをしてまで稼ごうとは思わない。1日2時間は店で昼寝がしたい。三分の力で仕事をこなすのがモットーだ。
とにかく、今日は状況が良さそうだ。これであとは女子が何人出勤するかが問題だ。出勤人数が多いほど、私に仕事が回ってくる確率は低くなる。来い来い。みんな来い。仕事しに来い。俺は寝るぞ!と思いつつ、私より1時間早く出勤していたお姉さんに「今日は何人出勤しますかねえ」と聞いてみた。
──すると、彼女はなぜか不穏な笑みを浮かべながら、こう言った。
「──以上」
……え?一瞬、言葉の意味が理解できずに、おめめパチクリ気味に問い返すと、今度は「これだけ」という明確で無情な答えが返ってきた。
日曜だってのに2人だけかよ!!何でだよ!トータルでも7人しか在籍してないショボい店だけど、あと5人は?みんな何してるの?
一気に目の前が暗くなった。頼みの綱の彼女は、指名がばかばか入る実力者。これでは、指名なしのフリーで来た客をさばくのは私ということになる。うわあ、最悪。
──数ヵ月前、これとまったく同じ状況で、続けて6人の客をさばいた時のことを思い出した。連続で仕事が入ってしまうと、休憩などする暇はない。ほぼ飲まず食わずで半日だ。これは辛い。
その上、こういう時に限って、やたらヘヴィーなMの客が多かったりするのだ。
ヘヴィーでディープなM男を相手にすると、精神的にものすごくまいる。相手のどろどろした欲望やら妄想やらを真っ向から受け止めなきゃならないせいだろう。しかも、油断すると相手の精神世界にひきずりこまれそうになるので、ものすごく怖い。本能的な恐怖さえ感じる。
そんなんが連チャンで続いてみ。発狂しそうになるってマジで。その時も、帰り際には口もきけない状態になってたし。ぐらぐらしながらなんとか家に帰っても、メシ食う気力も何もなく、とっとと寝ようとしたものの、頭の中ではさっきまでの気の狂った世界がぐるぐる渦巻いてて、結局朝まで眠れなかった。
その時のトラウマで、その後しばらく女王様プレイができなくなったもんな。M男、恐るべし。
──と、そんなちょっぴりセンチでほろ苦い思い出がまざまざとよみがえって、私ってばすっかりブルー。マジ帰りてえ。モロはめられた気分だぜ。畜生、今日休みやがった奴ら、俺がまた発狂しかけたら恨んでやる。特にMコースにつかない奴らだ。たまにはこの精神的苦痛を味わってみやがれ。大変なんだぞ、ほんとに。
……とか思ったものの。最初の印象どおりド暇でやんの。結局、2時間しっかり昼寝してるし。拍子抜けとはこのことだけど、まあいいや。不幸中の幸い。地獄で仏。九死に一生を得たってなもんだよ。
今日休みだったみんな。恨んでやるなんて言っちゃってごめんネ☆
1998/03/26 私は元気です
乱美@職場っす。
最近、よーやくまともにリブレットが使用可能な状況になったんで、うきゃうきゃ言って喜びながらこれを打ってます。
とにかくリブ蔵は可愛い。軽い。こーんなちんまいくせにWIN95が使えちゃうから最高だ。ついに時代はここまで来たかってなもんだね。こんなもの作り出せるほど進化しちゃうなんて、人類ヤバくねえ?「やりすぎー!」って神様焦ってんじゃねえ?
そろそろ、大マジでドラえもんの開発始める奴が出てきてもおかしくない勢いですな。
便利グッズ抜きのドラえもん単体だったら今すぐにでも作れそうだが。中に大山のぶ代詰めときゃいいんだもんな。のぶ代いい迷惑。でも生きてるうちにモノホンのドラえもんに会いたいんで、早いとこ誰か作ってください。税込みで20万以下なら買います。もちろんコロ助は不可。
ところで「最近更新してませんね?」とか「何かあったんですか?」とか「もう飽きたんすか?」とか「死にました?」といったメールをくださった皆様。暖かい脅迫をありがとう!
でもな、言い訳させてもらうとな、今までのペースが異常だったんだよ。たった6日じゃねえか。日記の更新を入れて計算すると、3日っすよ。これって別に普通じゃねえ?
最近おもしろおかしいこともないし、本気でムカつけるようなこともないし、客もマトモなのが多いしな。……何がマトモで何がマトモじゃないか、っつー判断基準がかなり壊れてるからかもしれないが。
何か、私のハートを揺さ振るホットな出来事はないものか。
……って、つい昨日、久しぶりに客から『真顔での愛の告白』を受けてかなり動揺したばかりだが。でもこれはちょっとシャレにならない+私としても胸が痛いのでここでは書けん。つーかもう書いてる。しまった。
『蓼食う虫も好きずき』
こんなカエル顔(友人M評)の女にな。
世の中には奇特な人がいらっしゃる。
久しぶりに泣きそうになっちまった。私としたことが。
1998/03/27 同業他社
やられたやられたやられましたよ。出勤したらさっそく予約が待ち構えてて、何も考えずにぼけーっとしながら仕事に入ったら、そのままラストまで連チャンしやがんの。休憩なしで8時間ぶっ続け。労働基準法違反してるっつーの。怒られるぜ、ほんとに(誰にだ)。
■本日の風俗業界・ちょっといい話
1本目の仕事の時。いつものようにホテルのフロントを通過し、客の待つ部屋へ向かう途中。エレベーターを待っていると、背後でホテルの入り口が開く気配がした。
「こんな真っ昼間から、どんなカップルだ?」と思い、顔を見てやろうと(やな奴だな)ちらっと振り返ると、金髪に近い茶髪の若い女性が、1人で入ってくるところだった。これはもしや。
その女性は、慣れた様子でフロントに「×××号室入りまーす」と声をかけると、1台しかないエレベーターを待つために、私のすぐ後ろに立った。間違いない。明らかに同業者だ。持っているバッグの小ささから見て、おそらくホテトルの人だろう。
エレベーターが到着した。私は中に乗り込んだが、ホテトル嬢とおぼしき女性は、気を遣って乗ってこようとしなかった。場所が場所だし、立場が立場だし、お互い気まずいと思ってのことだろう。が、私は別にそんなことは気にしない。そういう感覚はすでに超越してしまっている。
待たせるのも悪いなと思い、「よかったらどうぞ?」と促してみた。その女性は、思いがけず明るい声で「あ、すいませーん」と言いながら乗ってきた。
ドアが閉まるなり、彼女は私に「お仕事ですかー?」などと気さくに話しかけてきた。とっさに「あ、ええ」などと答えてしまったが、まさか話しかけられるとは思っていなかったので面食らった。
その後も、エレベーターがそれぞれの「職場」に着くまでのわずかな間、「最近暇ですねー」「あ、やっぱ暇ですかー」「もー大変ですよー」「頑張りましょーねー」なんていう和やかな会話を交わす我々。なんか違うんじゃないかと思いながらも、なんとなく嬉しくなってしまう私。
いわゆる風俗業界、射精産業という特殊な世界の、こういう何気ない「普通」さが好きだ。そんなに悪い世界じゃないよなあ、と改めて思うことができるから。
1998/03/31 バチあたり
何なんだかな……ここ最近の、この怒涛のような忙しさは。
業界用語で言う「給料日後」ってやつか?(どのへんが業界用語なのかは知らんが)
特に今日は厳しかった。別に寝不足したわけでもないのに、春の妖気(怖いな)にあてられて、眠気超ブレイク。ねむいねむいねむい。だるいだるいだるい。もう全然仕事にならなかった。
そーゆー時に限ってヤバイM男くんが多いってのはもはやマイ定番で、いまさら愚痴ったとこでどうなるわけでもないんだが──でも言う。言ってやる。ええ言いますとも。だりぃぞ畜生!私は眠いと何もする気がなくなるんだよ!動きたくなくなるんだよ!思考速度がテレホタイムのbekkoame並に遅くなるんだよ!こんな時に来るんじゃねえ、馬鹿野郎!
てなワケで、今日うっかり来てしまったM男くんたち、ごめんネ☆今度は頑張るからね。まあ、二度と私につくことはないだろうけどな。